April 27, 2010

飛行機&Brompton 2009冬 その4

わーーーっ、と坂道を下ってテンションと元気が回復したのも束の間。

…また上り坂だ…。

いやまあ、坂と言っても、普通のロードレーサーとか、クロスバイクだったら目をつぶってても通り過ぎちゃうくらいのやつですよ。奄美大島の清水からヤドリ浜まで行った時みたいな、泣く子も黙る峠道とは違いますよ。

でも…ブロの3段ギアにはつらい…。Inter8にしとくんだったー!!
(そのかわり重くなることは忘れてます)

つい足下ばかり見ながら登り続けること数分。ふと気配に目を上げると。


サトウキビ畑にひゅんひゅんとスプリンクラーが回っています。
思わず寄っていくと、強い風にあおられてしぶきがさーっとかかりました。いい気持ち。

12月半ばなのに水が気持ちいいなんてなー。
島だなぁ。お休みだなぁ。ありがたいなぁ。

とふと自分の今の幸せさをかみしめてみたり。

よっしゃ−、もうひとがんばり!とこぎ続けて(いや、半分くらいは降りて押した。文章は正確に)、次に出会ったのは…。


ヤギさん!!

…前後左右上下、誰もいない。ただただ道と、濃い緑と。急にのぞいたキラキラの青空の下、ヤギは黙々と草を食べている。この広い世界にヤギさんとふたりっきり。

えーと…あなたはどこから来たんでしょうね…というか、何をやって…いや、お食事中なのは分かるんですが…。
この道走ってきてもほとんど人にあわなかったし、家もそんなに見なかったし、超out of nowhereな…(chorocoは混乱すると受験英語を思い出すことがあります)

ん?
ヤギの向かって右側に、細い道が。そして看板。…ここを曲がるとコーヒー屋さん?
峠道にしか見えないが…。あ、ヤギさんの名前が書いてある!

とりあえずこのお方の写真をTwitterに投げる。と、あっという間に「あ、そのヤギさんは○○さんですね〜」とのコメントが!(元Tweetを探したのですが見つからない)
どうもコーヒー屋さんの看板ヤギさんらしい(うろおぼえ)。

Twitterすげえ…。
やっぱりiPhoneとBromptonがあれば、どこまでも行けるわ。
と感動した瞬間でした。あ、あと電波(笑)

○○さんに別れを告げ、また元気になって走り出します。

確かそろそろ左手にシギラベイCCというゴルフ場があるはず。そこを曲がれば右手にゴルフ場、左手に海を見ながら走れるようなのです。

iPhoneで地図を確かめるのですが、明るいところではよく見えない。曲がるチャンスは2度、敷地の端と、真ん中を抜ける道。どうも最初の角は見落としたようです。
えーと。

お、これだ!


ゴルフ場の真ん中を抜ける細い道、遠くに海!
しかも下り坂!わーい!

木立が切れて爽やかな淡いグリーンの芝生が見えました。南国の濃い緑ばかりを見てきた目にはちょっと新鮮。
ゴルフには全然興味ないし、自然を整形した感じが正直好きではないのだけど(ゴルフ好きの方すみません)、これはキレイです。

プレイする人の姿はまばら。のんびりと走っていくと、低い石垣に赤い花。うわー「ザ・南国」だ〜。


ほわあ。ブロを停め、ちょっとお茶なんか飲んだり。
あーのんびり〜。きれい〜。あー。

道はあと半分くらい。

April 20, 2010

飛行機&Brompton 2009冬 その3

さて2010年もとっくに1/3過ぎてしまいましたが、これ以上忘れないうちに「飛行機&Brompton 2009冬」のBrompton部分を書いてしまいますね。

宮古島3日目。
ようやくまとまった晴れになりそうなので、1人別行動で走りに行くことにしました。島の南東端、東平安名崎(ひがしへんなざき)まで車で送ってもらいます。
そこから海沿いをずっと、体力が持てば来間島(くりまじま)まで。

晴れたのはいいけど風が強い!!東平安名崎は本当に断崖絶壁で、ちょっと身の危険を感じました。
もちろん走るのは海から少し入った普通の車道です。

ついにmyブロが初沖縄の土を踏みました。青い空、揺れるアダンの木、まっすぐに延びる道。くーっ、たまりません。ちょっと坂が予想よりきついのには気づかないフリをして、出発です。

この気持ちよい風景の中ではペース配分なんて言葉はぶっ飛びます。わーーーっ、とテンションmaxで走る、走る。

上り坂でも笑う、下り坂はもっと笑う。我ながらネジ1本外れてしまったかのような浮かれぶりです。

白とグレイの雲がぐんぐん流れていきます。いかにも一雨きそうな空模様。
一応レインコートは持っているけれど、大降りになっても雨宿りのできそうなところは見当たりません。
ひたすら、道、さとうきび畑、アダンの木。海はもう見えない。

友人の「島では降っても長続きしないから」という言葉を信じて走ります。

あ、風車だ!
さとうきび畑の向こうに、白い羽根が光っています。きれい。風の強いところなんだなあ、と改めて思いながら通り過ぎました。

下りは楽勝、楽勝。
Twitterに実況なんて投げながら。
さて次は…?

うわあぃ。がっつり上り坂だ—い。
写真でみるとがっつり感に欠けますが、これがなかなかどうして。ま、運動不足なだけじゃんと言われればそれまでなのですが、超ノーマル・オリジナルなままのブロの3段ギアでは正直しんどい。

結局降りて押して上がる私を、白い車が心配そうに追い抜いていきます。さっきから見かけるのは、道路工事のトラックや畑に向かう車だけ。観光客の姿はゼロ。

ブロはぱっと見サイクリングに見えないので、心配して下さる方が多いです。
意地で(?)笑顔で見送ります。

頂上にさしかかった頃、ぱらぱらっと音を立てて雨が降ってきました。
道の両側は深い緑。とたんに立ち上る土の香り。アダンのオレンジの実がちぎれそうに揺れています。寒い。

レインコートを着ようか、どこかで雨宿りしようか…?いや、両脇山だし。

あーもう海で泳いだと思えば、と開き直り、そのまま登り続けます。

雨が目に入り、視界がぼやけます。えーと、私なにやってんだっけ?とちょっと思い始めた頃。

よっしゃ、下り坂だ!
急に元気になってブロに飛び乗り、ひゅーーーーん、と擬音がつきそうな勢いで下っていきます。

雨も小降りになってきたところへ、視界がぱーっと開けてまた海が見えました。

海だ!海だ!ここ数日散々見慣れていたはずの海が妙に懐かしく思えます。
鉛色の空の下、くすんではいるけれどどこまでも海。水平線と空のグレイのコントラストが綺麗です。

やっぱり海はいいなあ。海の上をブロで走れたらいいのに、などとアホみたいなことを考えながら、走り続けます。

手元のiPhoneによると、まだ1/3くらいしか来ていません。
(あ、山越え以外ではほとんど電波入ってました。ほっ)
本当に来間島まで行けるのか?

続く…。