November 16, 2010

ファイアー!イタリアンパセリ


イタリアンパセリが安かったので、大量に買い込んでしまいました。
とはいえ。平日にそうイタリアンをやるわけでもないし、先週末は出かけて料理してない。
欲しい時にはないのにある時にはどこまでもある。それがイタリアンパセリ。

というわけで、保存方法を検索してみました。「イタリアンパセリ 保存食」

お、ドライにするというのが簡単そう。さっと洗って水気を取り、キッチンペーパーか新聞紙に載せてレンジでチン。…新聞紙?

というわけでレンジ対応のクッキングシートに載せてみました。表裏各1分半というレシピと30秒ずつ3回に分けてかけるというレシピがある。うーん、じゃあ適当に1分くらいから…。

ぴっ。
ぶーーーーん。

黙々と回るイタリアンパセリ。うんうん。ひっくり返して再度加熱、と。
おお、いい感じではないですか。茎からはずしてざるにためていきます。カラカラさらさら、落葉みたい。その間に次のをかけて…。

そして何度目かに。

しゅぼぅわっっ!!

異音に顔を上げると…火!火ぃ吹いてる!

慌ててレンジを止めてみると、クッキングシートに焦げ跡が…。
ぎょえー。レンジで火がつくなんて聞いたことない!!!

すっかり恐ろしくなってクッキングシートを外し、レンジの受け皿の上に直接載せて回す方法に変更。
それでも怖くて30秒ずつこまめにかけることにして「取り消し」ボタンに指をかけたまま回す羽目に。

結局シートがなくても何度か焦げました。一時も目が離せない!全部をやり終わったあとはすっかり疲れ果てて、こっちがカラカラになってしまったのでした。

というわけで、なかなか便利に使えそうだけど、オススメ、とは言えない調理法(?)のご紹介でした…。

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ちなみに焦げるのは茎の部分からでした。今回は裏返す手間を考えて枝付きのままチンしてしまいましたが、葉だけをチンするとファイアー!にならずに済むようです。

November 10, 2010

Utada The Bestについて、雑感 3

最初から読む場合はこちらから

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<ビジネスとしての音楽 / ダイレクトなメディアの功罪>


「音楽でビジネスをすること」を無条件に敵視する音楽ファンがいます。1音楽ファンとして気持ちは分かります。色々書きたいことはありますが、複雑な問題ですので別の機会に譲ります。でも1つだけ言わせて下さい。

商業ベースに乗せなければ、あなたが好きなその音楽はあなたの耳には届かなかったかもしれません。そして、その方法を選んだのはアーティスト自身です。

これは誤解しないで頂きたいのですが、レコード会社の人間だって、音楽が好きだからやってるんです。そこに尽きます。

もちろん上層部で純粋にビジネスに徹する人もいないわけではありません。でも大抵はバカみたいに音楽が好きで、「好きを仕事にする」ことの理想と現実のギャップに悩みながら、徹夜だろうとこきつかわれようと、できるだけ多くの人に自分が好きな音楽を届けたいと日夜奔走するのです。

上層部でどんな政治的な駆け引きや大人のやり取りが行われていたとしても、現場は1枚でも多くサンプルを配ること、少しでも魅力的なキャッチコピーを考えること、1枚でも多く初回注文をもらうこと、に全力を注いでいます。「うちのアーティスト」として誇りを持っているからです。
メディアとか評論家とかお店とかその他色々なビジネス相手にどんな無体なことを言われても、アーティストに不利になることがないように、イメージを崩さないように、を最優先に頑張るのです。それがレコード会社の現場です。

そこに今回のようなアーティストの生の言葉が、レコード会社も事務所も通り越して、ダイレクトにファンに届く。
もし私がその立場にいたら、恐らく空しさで立ち尽くしてしまうと思います。

自分達がミーティングを重ねて立てた戦略に基づき、日々足を棒にして繰り返している宣伝や販促ーラジオ局やテレビ局を回ってオンエアを獲得したり、お店と交渉して良いスペースに商品を並べてもらったりすることーよりも、アーティストが一瞬で発信した「買わないで」という一言の方が何万倍も訴求力があるのです。

宇多田さんは後にブログでユニバーサルの現場スタッフに謝罪していましたが、言ってしまった言葉とその効果の絶大さはもう取り消せないでしょう。
実際に売れる枚数がどうこうではなく「宇多田がそういうなら買わない」という声がネットにあふれること。それ自体が問題なのです。

アーティストは商業ベースに乗った時点で「アイコン」です。アーティスト本人も、アーティスト自身のものではなくなります。
メディアが、事務所が、レコード会社が、ファンが、そして本人が、共同で作り上げるものです。

ファンの人は、自分が好きなアーティストの魅力が、全てアーティスト本人に帰するものだと思いたいかもしれません。
でも例えば野球の名プレイヤーも自分にあったチームに所属できずに活躍の場を失っていくこともあるように、アーティストが魅力を最大限に発揮するには、客観的なプロデュースと良い環境が必要です。アーティストもチームプレイなのです。多くの人の力を合わせなければ、より多くの人に音楽を届けることができません。

そんな中、一方的なイメージの押しつけに居心地の悪さを感じ、自分で発信するアーティストが増えています。それを可能にする方法が色々と増えたからです。昔はそういう手段は深夜のラジオくらいで、リスナーもそのアーティストのファンがメインでした。でも今は、ラジオの数倍のスピードでより広い範囲の人々に情報が届いてしまう時代です。

もちろんそれ自体はとても良いことだと思います。もし私がただの音楽ファンだった10代の頃に、大好きなアーティストのブログにコメントができたり、自分のTwitterのタイムラインにアーティストがいたり、あまつさえコメントを返してくれたりしたら。きっと嬉しくて3日くらい眠れなかったでしょう。今の音楽ファンの人達がうらやましいです。

ただそれは使い方を一歩間違えると、そのスピードと波及効果の高さ故に「トランプのジョーカー」になる可能性もあります。

多くの人のプランニングと地道な努力、多額の予算、長い年月…様々な「カード」を駆使した末にようやく築き上げられた「アーティストイメージ」そして「キャリア」。
それをブログやTwitterでの一言が、良かれ悪しかれ、一瞬で左右してしまう。戦略も何もあったものではありません。

「アーティスト本人からの発信」はあくまで数あるカードの中の1枚です。最も強く魅力的な1枚かもしれませんが、それ故に慎重に使われるべきですし、そもそも他のカードもなくてはゲームは成立しないのです。

そういう意味では、今回の騒動はどのレコード会社にとっても苦い教訓を残したと思います。

アメリカ大統領戦の際、オバマ候補のTwitterが大きな話題になりました。後からあれは本人の発言ではなかったと知って、がっかりしたのは私だけではないはずです。でも戦略的にはそれが正しいやり方です。彼のブレインが緻密に練り上げたプランを、オバマ氏自身がうっかり崩してしまったとしたら。Twitterが命取りになったなんて洒落になりません。

ダイレクトなメディアの功罪は、今後もっと積極的に議論されるべきだと思います。

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…とのんびり分割更新しているうちに、宇多田さんがEMIとワールドワイドの契約を結んだというニュースが飛び込んできました。うーん…。これについても追って書きます。

November 9, 2010

Utada The Bestについて、雑感 2

更新がしばらくあいてしまいました。
この間に新しい情報も出ていますが、10/31に書いたものを分割してアップしているので、取りあえずそのまま流します。


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<「レパトア・オーナー」とは?/ 契約社会のアメリカ>


レパトア・オーナー Repertoire Ownerという仕組みについて、少しご説明しておきましょう。

Repertoireとは日本語風に読むと「レパートリー」、楽曲のことです。
例えば「マドンナはワーナーのアーティストだから、ワーナージャパンはマドンナの曲を好きに使えるんでしょ?」というようなことを良く聞かれます。レコード会社以外の音楽業界の人ですらそう誤解しています。しかしそうではありません。マドンナのレパトア・オーナーはワーナージャパンではなくワーナーアメリカだからです。基本的にはアーティストが活動拠点にしている国がレパトア・オーナーになります。そしてレパトア・オーナーは当然ですが絶大な権力を持っています。

例えば、宇多田さんの楽曲のレパトア・オーナーはEMIジャパンです。彼女のアルバムをEMIオーストラリアが独自のオーストラリア盤としてリリースしたいと思ったとしましょう。その場合、オーストラリアはジャパンに許諾をもらう必要があります。
EMIジャパンは契約内容を確認し、所属事務所にお伺いを立て、アルバムタイトルやアートワーク(現地のニーズに合わせるために変えることはよくあります)、ボーナストラックの有無、価格や宣伝費及び宣伝の規模に至るまで、細かく審査をします。その上でアーティストのイメージに反していないか、そのアルバムをローカル盤としてリリースすることが、売り上げ及びアーティストのキャリアにプラスになるか、ということを踏まえて、許可を出します。
つまりレパトア・オーナーの許諾が降りない限り、同じEMIといえども、オーストラリアは何もできません。

また逆に、アメリカで、マイケル・ジャクソンのベスト盤が企画されたとしましょう。レパトア・オーナーはSONY MUSICアメリカ(のはずです)。
アメリカは各国のSONY MUSICにベスト盤を売るように指示できます(ワールドワイドでのプライオリティ・アーティストでない場合はこの限りではありません)。万が一SONY MUSICジャパンが「こないだも出したしこの内容じゃ売れないよ…」と思ったとしても、アメリカは全世界での販売戦略の一環として日本での売り上げをカウントに入れていますから、基本的に日本は拒否できません。レパトア・オーナーの指示通りにリリースするしかありません。
宣伝の内容や宣伝費の多寡についても指示を出されることがあります。「そんな露出は取れません」「そんなにお金は使えません」とはなかなか言えないので、現場は苦心してアメリカとの交渉にあたることになります。

さて、今回のケース。Utadaのレパトア・オーナーはアイランド・デフジャム、つまりユニバーサル・アメリカです。Utadaがワールドワイドのプライオリティ・アーティストかどうかは分かりませんが、日本のアーティストですし、前作実績から言ってもメイン・マーケットは日本です。

また、アーティストはレーベルと契約を結ぶ際「何年間で何枚リリースする」という約束をしていることが多いです。もちろんこれはオリジナルアルバムでカウントするのですが、様々な要素を考慮してベスト盤リリースで代替されることもあるそうです。

事情は全く分かりませんが、今回こういう問題が絡んでいた可能性もあります。

いずれにせよアイランド・デフジャムとしては「無期限活動休止を明言しているUtadaのレパトアを日本で最大限売れる戦略を考える」のが自然でしょう。そうなると、話題性の点でも、EMIのベストと同じ日にベスト盤をリリースするのがほとんど唯一のチョイスだったのだと思います。

そして日本のユニバーサルは、アーティストの意向やEMIジャパンとのお付き合い等でどれほど悩んだとしても、基本的にはレパトア・オーナーの指示通りにリリースする以外ないのです。

宇多田さんは「失礼なやり方なのでは」と指摘していますが、残念ながら、契約社会であるアメリカのアイランド・デフジャムが意に介することはないように思います。
逆に考えると、契約上不可能なことには彼らは手を出していないはずです。「失礼」と思ってしまうのは、実は日本人的な感覚なのかもしれません。

そしてリリースが決まれば日本の現場は必死で売る努力をするしかありません。売れなければレパトア・オーナーに詰められるからです。
前作実績や現在の市場動向などを分析した上で目標売り上げ枚数を決め、それに応じた宣伝費・販促費をかけ、マンパワーを投入します。
リリースに向けての仕込みは大詰めだったでしょう。そこにこの騒動。正直、現場の方々には心から同情します。
実はこの騒動が奏功して予約枚数が増えたとの報道もあります。しかし私のいう「同情」は売り上げ枚数がポイントではありません。

次回は「ビジネスとしての音楽」について、そして今回の件でつくづく考えさせられた「 ダイレクトなメディアの功罪」についてです。

>>Utada The Bestについて、雑感 3

November 2, 2010

Utada The Bestについて、雑感 1

宇多田ヒカルさんの『Utada The Best』についての発言が話題を呼んでいます。ネット上では彼女の言葉に賛同する意見の方が多いようですし、私も「Utada the Bestは私の意志とは全く無関係」とTweetしたこと自体は興味深いし、そのくらいは言ってもいいと思っています(関係者は残念に思うでしょうが)。

が、「予約を考えている人は、少し待ってください」「Utada名義の過去作品を持っている人は、そのbestは買う必要は無いよ、と言いたい」という事実上不買を訴える発言には、正直少し疑問を感じます。
そこまで言っちゃったかヒカルさん!という感じです。

私の端的な感想を言わせて頂くと「気持ちは分かるけれど、恐らく契約上仕方ないのだろうし、Twitterなどのダイレクトなメディアで買わないでとまで言うのは一線を越えていないだろうか。正直現場が気の毒だ」です。

こう思うのは、私がかつてレコード会社に籍を置いていたからかもしれません。
以下、この問題を考える際の参考になるかもしれないレコード会社の仕組みや、今もレコード業界に関わる者としての個人的な感想を、何回かに分けて書いてみたいと思います。


<原盤権のこと>

原盤権とは、簡単に言うと「録音した楽曲を発売する権利」で、レコーディング等音源制作にかかる費用を負担することと引き替えに取得するものです。
現在ではレコード会社だけでなく、アーティスト事務所や音楽出版社などが、出資額に応じて半分、1/3ずつ、という風に分け合って持つのが主流になっています。

ある楽曲をオリジナルアルバムとは別の形で使用する(今回のようなベスト盤を出すとか)際には、全ての原盤権保有者の同意が必要です。
今回の場合は、どうもアメリカのレーベル、アイランド・デフジャムが全ての権利を持っているようです。というのは、所属事務所の代表取締役である父・宇多田照實さんもTwitterでヒカルさんの意見に同調しているからです。つまり事務所の意志が反映されていない=原盤権を共有していないということです。

レコード会社としては、本来はお付き合いを考えると、権利がなくても事務所にお伺いは立てるのが普通です。しかしアイランド・デフジャムとの契約が既に切れている、もしくは切れる予定なのであれば、レーベルはアーティストの顔を立てる必要がないため(今後のお付き合いへの影響を気にしなくていいため)、契約内容だけを根拠にリリースした可能性もゼロではありません。あくまで想像ですが。

もしこういう事態を避けたいのであれば、共同原盤にする道を模索するという手もありましたし、ベスト盤リリース等について契約書に明記しておく必要があったのではないでしょうか。…とはいえそれは理想論であって、果たしてそういうことが政治的・慣習的に可能だったのかどうか、私には分かりません。

次回はレパトア・オーナーという仕組みについて書きます。

>> Utada The Bestについて、雑感 2

November 1, 2010

ガパオごはん


 1 にんにく、生姜は刻む
 2 中華鍋に油(うちではごま油)を熱し、にんにく、生姜、鷹の爪を弱火で炒める
 3 2に鶏挽き肉を加えて炒める
 4 鶏がらスープ、オイスターソース、ナンプラー、スイートチリソース、塩、砂糖を加えて更に炒める
 5 パプリカを入れて炒める
 6 バジルを1つかみ半くらい入れてさっと炒め合わせ、火を止める
 7 ご飯を皿に盛り、6と目玉焼きをのせる

* * *

なんかそろそろバレバレな気がしますが。
卵が大好きです。卵がのっていれば大抵のものは幸せメニューです。

ラーメンには塩卵、カレーにはゆで卵か温泉卵か、キーマなら目玉焼きもいいな。いやのっけなくてもオムライスとかクラクラするし、だし巻き卵は1本でも抱えて食べれる。いつかポーチドエッグを極めてやるぞ。ふわふわ卵サンドは至福だし、ああ茶碗蒸しを忘れてはいけない。

卵マイラヴ。

しかし何故か卵のメニューを選ぶ時、ちょっと躊躇するんですね。昔は「卵は1日1個まで」というのが常識だったからでしょうか(今はもっと食べてオッケーという説もありますね)。
「卵…のっけていいかなあ」「オムライス頼んじゃってもいいのかなあ」「えーいタルタルつけたるで、どーん」
なんだかこう、覚悟の要る愛です。

さて、映画「かもめ食堂」の料理監修をした、フードスタイリストの飯島奈美さんという方をご存じでしょうか。
映画は見てないんですが、公開当時ご飯がうまそうすぎると話題になってたのは覚えてます。

その飯島さんがdancyuで目玉焼きの作り方を伝授してらして、目からウロコだったのが。
「理想的な焼き上がりのイメージをしっかり持つべし」ということ。
ああー。そうか。目玉焼き1つと言えども、どういう風に仕上がって欲しいか、ちゃんと意識して作るから、みんながうらやましがるうまそうなご飯になるのか。

それ以来卵を焼く時になんとなく思い出します。
後の時は忘れてますが(笑)

ちなみに卵をフライパンに入れる時、先に白身を流して一呼吸待って黄身をのせる、というのも飯島さんの技のひとつでした。これは形が美しく仕上がって素晴らしいです。

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なぜかエントリ毎に「ですます調」と「〜だ調」が混ざるのですが、
そのメニューのイメージに合う方で適当に書いているせいです。
chorocoにとって、ガパオごはんは「ですます」なのか、くらいで流して下さい。