November 2, 2010

Utada The Bestについて、雑感 1

宇多田ヒカルさんの『Utada The Best』についての発言が話題を呼んでいます。ネット上では彼女の言葉に賛同する意見の方が多いようですし、私も「Utada the Bestは私の意志とは全く無関係」とTweetしたこと自体は興味深いし、そのくらいは言ってもいいと思っています(関係者は残念に思うでしょうが)。

が、「予約を考えている人は、少し待ってください」「Utada名義の過去作品を持っている人は、そのbestは買う必要は無いよ、と言いたい」という事実上不買を訴える発言には、正直少し疑問を感じます。
そこまで言っちゃったかヒカルさん!という感じです。

私の端的な感想を言わせて頂くと「気持ちは分かるけれど、恐らく契約上仕方ないのだろうし、Twitterなどのダイレクトなメディアで買わないでとまで言うのは一線を越えていないだろうか。正直現場が気の毒だ」です。

こう思うのは、私がかつてレコード会社に籍を置いていたからかもしれません。
以下、この問題を考える際の参考になるかもしれないレコード会社の仕組みや、今もレコード業界に関わる者としての個人的な感想を、何回かに分けて書いてみたいと思います。


<原盤権のこと>

原盤権とは、簡単に言うと「録音した楽曲を発売する権利」で、レコーディング等音源制作にかかる費用を負担することと引き替えに取得するものです。
現在ではレコード会社だけでなく、アーティスト事務所や音楽出版社などが、出資額に応じて半分、1/3ずつ、という風に分け合って持つのが主流になっています。

ある楽曲をオリジナルアルバムとは別の形で使用する(今回のようなベスト盤を出すとか)際には、全ての原盤権保有者の同意が必要です。
今回の場合は、どうもアメリカのレーベル、アイランド・デフジャムが全ての権利を持っているようです。というのは、所属事務所の代表取締役である父・宇多田照實さんもTwitterでヒカルさんの意見に同調しているからです。つまり事務所の意志が反映されていない=原盤権を共有していないということです。

レコード会社としては、本来はお付き合いを考えると、権利がなくても事務所にお伺いは立てるのが普通です。しかしアイランド・デフジャムとの契約が既に切れている、もしくは切れる予定なのであれば、レーベルはアーティストの顔を立てる必要がないため(今後のお付き合いへの影響を気にしなくていいため)、契約内容だけを根拠にリリースした可能性もゼロではありません。あくまで想像ですが。

もしこういう事態を避けたいのであれば、共同原盤にする道を模索するという手もありましたし、ベスト盤リリース等について契約書に明記しておく必要があったのではないでしょうか。…とはいえそれは理想論であって、果たしてそういうことが政治的・慣習的に可能だったのかどうか、私には分かりません。

次回はレパトア・オーナーという仕組みについて書きます。

>> Utada The Bestについて、雑感 2

November 1, 2010

ガパオごはん


 1 にんにく、生姜は刻む
 2 中華鍋に油(うちではごま油)を熱し、にんにく、生姜、鷹の爪を弱火で炒める
 3 2に鶏挽き肉を加えて炒める
 4 鶏がらスープ、オイスターソース、ナンプラー、スイートチリソース、塩、砂糖を加えて更に炒める
 5 パプリカを入れて炒める
 6 バジルを1つかみ半くらい入れてさっと炒め合わせ、火を止める
 7 ご飯を皿に盛り、6と目玉焼きをのせる

* * *

なんかそろそろバレバレな気がしますが。
卵が大好きです。卵がのっていれば大抵のものは幸せメニューです。

ラーメンには塩卵、カレーにはゆで卵か温泉卵か、キーマなら目玉焼きもいいな。いやのっけなくてもオムライスとかクラクラするし、だし巻き卵は1本でも抱えて食べれる。いつかポーチドエッグを極めてやるぞ。ふわふわ卵サンドは至福だし、ああ茶碗蒸しを忘れてはいけない。

卵マイラヴ。

しかし何故か卵のメニューを選ぶ時、ちょっと躊躇するんですね。昔は「卵は1日1個まで」というのが常識だったからでしょうか(今はもっと食べてオッケーという説もありますね)。
「卵…のっけていいかなあ」「オムライス頼んじゃってもいいのかなあ」「えーいタルタルつけたるで、どーん」
なんだかこう、覚悟の要る愛です。

さて、映画「かもめ食堂」の料理監修をした、フードスタイリストの飯島奈美さんという方をご存じでしょうか。
映画は見てないんですが、公開当時ご飯がうまそうすぎると話題になってたのは覚えてます。

その飯島さんがdancyuで目玉焼きの作り方を伝授してらして、目からウロコだったのが。
「理想的な焼き上がりのイメージをしっかり持つべし」ということ。
ああー。そうか。目玉焼き1つと言えども、どういう風に仕上がって欲しいか、ちゃんと意識して作るから、みんながうらやましがるうまそうなご飯になるのか。

それ以来卵を焼く時になんとなく思い出します。
後の時は忘れてますが(笑)

ちなみに卵をフライパンに入れる時、先に白身を流して一呼吸待って黄身をのせる、というのも飯島さんの技のひとつでした。これは形が美しく仕上がって素晴らしいです。

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なぜかエントリ毎に「ですます調」と「〜だ調」が混ざるのですが、
そのメニューのイメージに合う方で適当に書いているせいです。
chorocoにとって、ガパオごはんは「ですます」なのか、くらいで流して下さい。


October 28, 2010

カレーチャーハン 卵のっけ


 1 玉ねぎをみじんに刻む
 2 カレーを温めておく
 3 中華鍋にオリーブ油(サラダ油)を熱し、玉ねぎを炒める
 4 ご飯を入れて炒める。もし冷やご飯で塊があったら、こんこんと叩くといい感じにほぐれる
 5 塩、こしょう、鶏がらスープ、オイスターソースで「おいしいけど結構薄いな」という程度に味付けする
 6 カレーを加えて更に炒める
 7 塩、こしょうで味を調えて皿に盛る
 8 真ん中を窪ませて生卵をのせる

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実家で中華鍋というと、ほとんど父の出番だった。
鶏肉とカシューナッツの炒め物とか、大根のオイスターソース炒めとか。

がーっと鍋を熱し、わっと材料を入れ、ざんざんざんと炒め、色々と謎なものをばさばさ入れて母にいやーな顔をさせ、どかんと盛りつける。
「味見してないから!」がいつもの口癖。
えー、と思いながら食べると、たいてい、おいしい。
まあ10回に2回くらいは、おおっと、という出来なのだけど、それもご愛敬。

だからカレーチャーハンも父の十八番だった。カレーが中途半端に残ると、土曜のお昼は父が台所に立つ。
がーっ、わっ、ざんざんざん、ばさばさ、どかん。
で、私に聞くのだ。
「生卵、のせるか?」
私はにやりとして
「うん!」
と答える。
母がいやーな顔をしている。そういうなんというか、パワフルな気配のするものは彼女は嫌いなのだ。
だから父と子供達の皿にだけ生卵がのる。そのたまらない背徳感。
実はゆで卵のほうが好きなんだけど。合うと思うんだけど。
おいしいかおいしくないかじゃないのだ。カレーチャーハンには生卵。
今日もチャーハンの山の真ん中にぽとんと卵を落としながら、中華鍋を振る父を思い出す。

あ、ちなみに生きてます>父

October 26, 2010

白身魚のごま漬け丼


 1 醤油、酒、みりん(2:1:1)をレンジでチンする
 2 1のあら熱がとれたら練りごま(白)を混ぜておく
 3 白身魚をそぎ切りにする
 4 2に魚を漬ける。20分くらい
 5 どんぶりにご飯を盛り、のりを散らし、4をのせる
  あさつきの小口切りと白いりごまを飾り、わさびを添える

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NHK「きょうの料理ビギナーズ」2010年6月号より。

ここ半年ほど、このNHKテキストを愛読してます。
「野菜たっぷり日もちおかず」とか「肉のうまさにジャストミート」とか
毎号テーマがはっきりしていて、レシピの数も多くて、とっても使えるのです。
しかも500円。この値段はNHK出版にしかできないよな…。

「ビギナーズ」というだけあって、基本のきから教えてくれるのに、
出来上がるものはなんというか古くさくないのです。今風(死語)なのです。
このバランス感覚は素晴らしいと思う。でもイラストは好きじゃない(笑)

白身魚のごま漬け丼は、超簡単なのに、思わずくっ…とうなるうまさ。
「お茶漬けにしてもおいしい」だそうです。
そういえば鯛でお茶漬けなら出汁茶漬けが好きです。軽く醤油で漬けにしておいて、出汁を注ぐ。
このごま漬け丼の場合はそのまま出汁茶漬けにすると、少し味が濃すぎるかも…?

この日のお味噌汁はさつまいもと玉ねぎ、わかめ。

生ハムとしめじのクリームパスタ


 1 パスタ用のお湯を沸かし始める。塩はしっかりめに。
 2 しめじと生ハムは一口大にする
 3 玉ねぎをスライスする
 4 フライパンにバターを溶かし、玉ねぎとしめじを炒める。
  好みで白ワインでフランベしても良い
 5 パスタを茹で始める
 6 4がしんなりしたら生クリームを注ぎ、ぶくぶくと泡立てる
 7 6にパスタの茹で汁を注いでゆるめる
 8 塩、砂糖、鶏がらスープ、パルミジャーノのすりおろし等で味を調える。
  火を止めて生ハムを加えておく
 9 パスタは少し硬めで引き上げ、8に加えてなじませる
 10 皿に盛りつけ、黒こしょうをひく

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残っていたもので適当に晩ごはん。
サイドのサラダはブロッコリーとズッキーニを蒸してオリーブ油と塩、ゆで卵をトッピング。

わりと最近まで「生クリームは煮立てない」というのがパスタのレシピの常識だった気がします。
色々工夫してもどうしても味が落ち着かないので、クリームパスタ好きとしては歯がゆい思いをしていたものです。

それがある時、加藤政行さんの「ぼくの好きなパスタ」を読んでいたら。
「生クリームは焦げることを恐れずに、大きく泡が立つまで煮詰めていい。煮詰めることで独特のコクが出て、濃厚な甘みのソースになる」
と。

なんだ!誰だよ煮詰めちゃいかんって言った人!(笑)

というわけでそれ以来、クリームパスタは怖くなくなりました。

あと鶏がらスープを入れるというのは、行正り香さんの十八番です。
味の中心部分がすこんと抜けているのを埋めてくれます。
これを塩で埋めようとすると、とんでもなく塩辛くなるので注意です。
彼女のレシピはシンプルで調味料の使い方が自由自在で、とても美味しい。そして見た目に美しいです。これ大切。
 

October 24, 2010

鰹とレンズ豆のサラダ


 1 フライパンにオリーブ油を熱し、鰹のさくをタタキにする
 2 1をスライスし、塩、こしょう、オリーブ油でマリネしておく
 3 レンズ豆を洗ってざるにあげておく
 4 お湯を沸かして塩を入れ、3を茹でる。柔らかくなったらざるにあげる
 5 玉ねぎ(紫玉ねぎでも)を薄切りにして水にさらしておく
 6 ベビーリーフミックスは洗って水気を切る
 7 ボールに6を入れ、塩、コショウ、レモン汁、オリーブ油を加えて手でそっと混ぜる
 8 7を皿に盛り、マリネをのせ、レンズ豆と玉ねぎをトッピングする
   彩りにバジルやイタリアンパセリ、エストラゴンなどを散らしても良い

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レンズ豆を散らしたサラダは、渋谷のun cafeで初めて食べた。
肉、魚、パスタ、サラダのどれかとパン、カップスープにドリンクがついたun cafeのランチ。
ちょっと高かったけど、仕事が一段落したり、誰かとゆっくり話がしたい時、疲れてておいしいものが食べたい時なんかによく行った。

最初は、たっぷり散りばめられた小さい黒い物体が豆だということに気づかなかった。
不思議に食べ応えのある食感。濃い旨味。
レンズ豆というものだと知ってからも、料理の上手い人が使う素材だと思って、長い間手を出せなかった。豆は戻さないといけないし。

でもある時イタリアンの料理本を読んでいたら、ボイルした豚肉の添え物がレンズ豆だった。
えいやっと思い切って買った。
…レンズ豆って水で戻す必要ないのね。

煮るのもがーっと煮て、食べてみて良い感じで上げればオッケー。
なんて素敵なやつなんだレンズ豆。
そして鉄分が豊富なんだそうだ。もっと食べるぞレンズ豆。

ちなみにこのレシピは、鰹のグリル・醤油わさびバターソースをやった翌日の昼に、残っていた鰹をどうにか出来ないかと思ってやってみたもの。
同じようにフライパンでグリルし、そこにバターを溶かし、醤油とわさびを加えて煮詰める。
温かい鰹にソースをかけて、グリーンサラダか茹で野菜を添える。
元々はまぐろで、ケンタロウさんのレシピ。



 

目玉焼きパスタ


 1 パスタを茹でる
 2 目玉焼きを半熟に焼いておく
 3 茹で上がったパスタに、バター、昆布茶、めんつゆをからめる
 4 3に目玉焼きとあさつきをのせる お好みで海苔をかけても

  *食べる時に、しっかり目玉焼きをつぶしてからめて食べる。
   見た目は、とっても悪い。

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小さい頃我が家では、夕食がスパゲッティーの時は必ず2種類以上出てきた。
4人分いっぺんに茹でたり和えたりが大変だから、というもっともらしい理由もあったけれど、
多分母が色んな味を楽しみたかったんだと思う。

たらことかミートソースとかのスタープレイヤーの次によく出てきたのがこの目玉焼きスパ。
母はもう潔く、目玉焼くだけ!醤油かけるだけ!だったが、私バージョンは長年の間にアレンジしてこうなった。

どんなに丁寧に黄身をからめても、絶対喉に突っかかる。海苔なんてのせた日にはむせることうけあい。
でもなんかたまに食べたくなるんだな。