November 16, 2010
ファイアー!イタリアンパセリ
イタリアンパセリが安かったので、大量に買い込んでしまいました。
とはいえ。平日にそうイタリアンをやるわけでもないし、先週末は出かけて料理してない。
欲しい時にはないのにある時にはどこまでもある。それがイタリアンパセリ。
というわけで、保存方法を検索してみました。「イタリアンパセリ 保存食」
お、ドライにするというのが簡単そう。さっと洗って水気を取り、キッチンペーパーか新聞紙に載せてレンジでチン。…新聞紙?
というわけでレンジ対応のクッキングシートに載せてみました。表裏各1分半というレシピと30秒ずつ3回に分けてかけるというレシピがある。うーん、じゃあ適当に1分くらいから…。
ぴっ。
ぶーーーーん。
黙々と回るイタリアンパセリ。うんうん。ひっくり返して再度加熱、と。
おお、いい感じではないですか。茎からはずしてざるにためていきます。カラカラさらさら、落葉みたい。その間に次のをかけて…。
そして何度目かに。
しゅぼぅわっっ!!
異音に顔を上げると…火!火ぃ吹いてる!
慌ててレンジを止めてみると、クッキングシートに焦げ跡が…。
ぎょえー。レンジで火がつくなんて聞いたことない!!!
すっかり恐ろしくなってクッキングシートを外し、レンジの受け皿の上に直接載せて回す方法に変更。
それでも怖くて30秒ずつこまめにかけることにして「取り消し」ボタンに指をかけたまま回す羽目に。
結局シートがなくても何度か焦げました。一時も目が離せない!全部をやり終わったあとはすっかり疲れ果てて、こっちがカラカラになってしまったのでした。
というわけで、なかなか便利に使えそうだけど、オススメ、とは言えない調理法(?)のご紹介でした…。
---
ちなみに焦げるのは茎の部分からでした。今回は裏返す手間を考えて枝付きのままチンしてしまいましたが、葉だけをチンするとファイアー!にならずに済むようです。
November 10, 2010
Utada The Bestについて、雑感 3
最初から読む場合はこちらから
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<ビジネスとしての音楽 / ダイレクトなメディアの功罪>
「音楽でビジネスをすること」を無条件に敵視する音楽ファンがいます。1音楽ファンとして気持ちは分かります。色々書きたいことはありますが、複雑な問題ですので別の機会に譲ります。でも1つだけ言わせて下さい。
商業ベースに乗せなければ、あなたが好きなその音楽はあなたの耳には届かなかったかもしれません。そして、その方法を選んだのはアーティスト自身です。
これは誤解しないで頂きたいのですが、レコード会社の人間だって、音楽が好きだからやってるんです。そこに尽きます。
もちろん上層部で純粋にビジネスに徹する人もいないわけではありません。でも大抵はバカみたいに音楽が好きで、「好きを仕事にする」ことの理想と現実のギャップに悩みながら、徹夜だろうとこきつかわれようと、できるだけ多くの人に自分が好きな音楽を届けたいと日夜奔走するのです。
上層部でどんな政治的な駆け引きや大人のやり取りが行われていたとしても、現場は1枚でも多くサンプルを配ること、少しでも魅力的なキャッチコピーを考えること、1枚でも多く初回注文をもらうこと、に全力を注いでいます。「うちのアーティスト」として誇りを持っているからです。
メディアとか評論家とかお店とかその他色々なビジネス相手にどんな無体なことを言われても、アーティストに不利になることがないように、イメージを崩さないように、を最優先に頑張るのです。それがレコード会社の現場です。
そこに今回のようなアーティストの生の言葉が、レコード会社も事務所も通り越して、ダイレクトにファンに届く。
もし私がその立場にいたら、恐らく空しさで立ち尽くしてしまうと思います。
自分達がミーティングを重ねて立てた戦略に基づき、日々足を棒にして繰り返している宣伝や販促ーラジオ局やテレビ局を回ってオンエアを獲得したり、お店と交渉して良いスペースに商品を並べてもらったりすることーよりも、アーティストが一瞬で発信した「買わないで」という一言の方が何万倍も訴求力があるのです。
宇多田さんは後にブログでユニバーサルの現場スタッフに謝罪していましたが、言ってしまった言葉とその効果の絶大さはもう取り消せないでしょう。
実際に売れる枚数がどうこうではなく「宇多田がそういうなら買わない」という声がネットにあふれること。それ自体が問題なのです。
アーティストは商業ベースに乗った時点で「アイコン」です。アーティスト本人も、アーティスト自身のものではなくなります。
メディアが、事務所が、レコード会社が、ファンが、そして本人が、共同で作り上げるものです。
ファンの人は、自分が好きなアーティストの魅力が、全てアーティスト本人に帰するものだと思いたいかもしれません。
でも例えば野球の名プレイヤーも自分にあったチームに所属できずに活躍の場を失っていくこともあるように、アーティストが魅力を最大限に発揮するには、客観的なプロデュースと良い環境が必要です。アーティストもチームプレイなのです。多くの人の力を合わせなければ、より多くの人に音楽を届けることができません。
そんな中、一方的なイメージの押しつけに居心地の悪さを感じ、自分で発信するアーティストが増えています。それを可能にする方法が色々と増えたからです。昔はそういう手段は深夜のラジオくらいで、リスナーもそのアーティストのファンがメインでした。でも今は、ラジオの数倍のスピードでより広い範囲の人々に情報が届いてしまう時代です。
もちろんそれ自体はとても良いことだと思います。もし私がただの音楽ファンだった10代の頃に、大好きなアーティストのブログにコメントができたり、自分のTwitterのタイムラインにアーティストがいたり、あまつさえコメントを返してくれたりしたら。きっと嬉しくて3日くらい眠れなかったでしょう。今の音楽ファンの人達がうらやましいです。
ただそれは使い方を一歩間違えると、そのスピードと波及効果の高さ故に「トランプのジョーカー」になる可能性もあります。
多くの人のプランニングと地道な努力、多額の予算、長い年月…様々な「カード」を駆使した末にようやく築き上げられた「アーティストイメージ」そして「キャリア」。
それをブログやTwitterでの一言が、良かれ悪しかれ、一瞬で左右してしまう。戦略も何もあったものではありません。
「アーティスト本人からの発信」はあくまで数あるカードの中の1枚です。最も強く魅力的な1枚かもしれませんが、それ故に慎重に使われるべきですし、そもそも他のカードもなくてはゲームは成立しないのです。
そういう意味では、今回の騒動はどのレコード会社にとっても苦い教訓を残したと思います。
アメリカ大統領戦の際、オバマ候補のTwitterが大きな話題になりました。後からあれは本人の発言ではなかったと知って、がっかりしたのは私だけではないはずです。でも戦略的にはそれが正しいやり方です。彼のブレインが緻密に練り上げたプランを、オバマ氏自身がうっかり崩してしまったとしたら。Twitterが命取りになったなんて洒落になりません。
ダイレクトなメディアの功罪は、今後もっと積極的に議論されるべきだと思います。
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…とのんびり分割更新しているうちに、宇多田さんがEMIとワールドワイドの契約を結んだというニュースが飛び込んできました。うーん…。これについても追って書きます。
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<ビジネスとしての音楽 / ダイレクトなメディアの功罪>
「音楽でビジネスをすること」を無条件に敵視する音楽ファンがいます。1音楽ファンとして気持ちは分かります。色々書きたいことはありますが、複雑な問題ですので別の機会に譲ります。でも1つだけ言わせて下さい。
商業ベースに乗せなければ、あなたが好きなその音楽はあなたの耳には届かなかったかもしれません。そして、その方法を選んだのはアーティスト自身です。
これは誤解しないで頂きたいのですが、レコード会社の人間だって、音楽が好きだからやってるんです。そこに尽きます。
もちろん上層部で純粋にビジネスに徹する人もいないわけではありません。でも大抵はバカみたいに音楽が好きで、「好きを仕事にする」ことの理想と現実のギャップに悩みながら、徹夜だろうとこきつかわれようと、できるだけ多くの人に自分が好きな音楽を届けたいと日夜奔走するのです。
上層部でどんな政治的な駆け引きや大人のやり取りが行われていたとしても、現場は1枚でも多くサンプルを配ること、少しでも魅力的なキャッチコピーを考えること、1枚でも多く初回注文をもらうこと、に全力を注いでいます。「うちのアーティスト」として誇りを持っているからです。
メディアとか評論家とかお店とかその他色々なビジネス相手にどんな無体なことを言われても、アーティストに不利になることがないように、イメージを崩さないように、を最優先に頑張るのです。それがレコード会社の現場です。
そこに今回のようなアーティストの生の言葉が、レコード会社も事務所も通り越して、ダイレクトにファンに届く。
もし私がその立場にいたら、恐らく空しさで立ち尽くしてしまうと思います。
自分達がミーティングを重ねて立てた戦略に基づき、日々足を棒にして繰り返している宣伝や販促ーラジオ局やテレビ局を回ってオンエアを獲得したり、お店と交渉して良いスペースに商品を並べてもらったりすることーよりも、アーティストが一瞬で発信した「買わないで」という一言の方が何万倍も訴求力があるのです。
宇多田さんは後にブログでユニバーサルの現場スタッフに謝罪していましたが、言ってしまった言葉とその効果の絶大さはもう取り消せないでしょう。
実際に売れる枚数がどうこうではなく「宇多田がそういうなら買わない」という声がネットにあふれること。それ自体が問題なのです。
アーティストは商業ベースに乗った時点で「アイコン」です。アーティスト本人も、アーティスト自身のものではなくなります。
メディアが、事務所が、レコード会社が、ファンが、そして本人が、共同で作り上げるものです。
ファンの人は、自分が好きなアーティストの魅力が、全てアーティスト本人に帰するものだと思いたいかもしれません。
でも例えば野球の名プレイヤーも自分にあったチームに所属できずに活躍の場を失っていくこともあるように、アーティストが魅力を最大限に発揮するには、客観的なプロデュースと良い環境が必要です。アーティストもチームプレイなのです。多くの人の力を合わせなければ、より多くの人に音楽を届けることができません。
そんな中、一方的なイメージの押しつけに居心地の悪さを感じ、自分で発信するアーティストが増えています。それを可能にする方法が色々と増えたからです。昔はそういう手段は深夜のラジオくらいで、リスナーもそのアーティストのファンがメインでした。でも今は、ラジオの数倍のスピードでより広い範囲の人々に情報が届いてしまう時代です。
もちろんそれ自体はとても良いことだと思います。もし私がただの音楽ファンだった10代の頃に、大好きなアーティストのブログにコメントができたり、自分のTwitterのタイムラインにアーティストがいたり、あまつさえコメントを返してくれたりしたら。きっと嬉しくて3日くらい眠れなかったでしょう。今の音楽ファンの人達がうらやましいです。
ただそれは使い方を一歩間違えると、そのスピードと波及効果の高さ故に「トランプのジョーカー」になる可能性もあります。
多くの人のプランニングと地道な努力、多額の予算、長い年月…様々な「カード」を駆使した末にようやく築き上げられた「アーティストイメージ」そして「キャリア」。
それをブログやTwitterでの一言が、良かれ悪しかれ、一瞬で左右してしまう。戦略も何もあったものではありません。
「アーティスト本人からの発信」はあくまで数あるカードの中の1枚です。最も強く魅力的な1枚かもしれませんが、それ故に慎重に使われるべきですし、そもそも他のカードもなくてはゲームは成立しないのです。
そういう意味では、今回の騒動はどのレコード会社にとっても苦い教訓を残したと思います。
アメリカ大統領戦の際、オバマ候補のTwitterが大きな話題になりました。後からあれは本人の発言ではなかったと知って、がっかりしたのは私だけではないはずです。でも戦略的にはそれが正しいやり方です。彼のブレインが緻密に練り上げたプランを、オバマ氏自身がうっかり崩してしまったとしたら。Twitterが命取りになったなんて洒落になりません。
ダイレクトなメディアの功罪は、今後もっと積極的に議論されるべきだと思います。
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…とのんびり分割更新しているうちに、宇多田さんがEMIとワールドワイドの契約を結んだというニュースが飛び込んできました。うーん…。これについても追って書きます。
November 9, 2010
Utada The Bestについて、雑感 2
更新がしばらくあいてしまいました。
この間に新しい情報も出ていますが、10/31に書いたものを分割してアップしているので、取りあえずそのまま流します。
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<「レパトア・オーナー」とは?/ 契約社会のアメリカ>
レパトア・オーナー Repertoire Ownerという仕組みについて、少しご説明しておきましょう。
Repertoireとは日本語風に読むと「レパートリー」、楽曲のことです。
例えば「マドンナはワーナーのアーティストだから、ワーナージャパンはマドンナの曲を好きに使えるんでしょ?」というようなことを良く聞かれます。レコード会社以外の音楽業界の人ですらそう誤解しています。しかしそうではありません。マドンナのレパトア・オーナーはワーナージャパンではなくワーナーアメリカだからです。基本的にはアーティストが活動拠点にしている国がレパトア・オーナーになります。そしてレパトア・オーナーは当然ですが絶大な権力を持っています。
例えば、宇多田さんの楽曲のレパトア・オーナーはEMIジャパンです。彼女のアルバムをEMIオーストラリアが独自のオーストラリア盤としてリリースしたいと思ったとしましょう。その場合、オーストラリアはジャパンに許諾をもらう必要があります。
EMIジャパンは契約内容を確認し、所属事務所にお伺いを立て、アルバムタイトルやアートワーク(現地のニーズに合わせるために変えることはよくあります)、ボーナストラックの有無、価格や宣伝費及び宣伝の規模に至るまで、細かく審査をします。その上でアーティストのイメージに反していないか、そのアルバムをローカル盤としてリリースすることが、売り上げ及びアーティストのキャリアにプラスになるか、ということを踏まえて、許可を出します。
つまりレパトア・オーナーの許諾が降りない限り、同じEMIといえども、オーストラリアは何もできません。
また逆に、アメリカで、マイケル・ジャクソンのベスト盤が企画されたとしましょう。レパトア・オーナーはSONY MUSICアメリカ(のはずです)。
アメリカは各国のSONY MUSICにベスト盤を売るように指示できます(ワールドワイドでのプライオリティ・アーティストでない場合はこの限りではありません)。万が一SONY MUSICジャパンが「こないだも出したしこの内容じゃ売れないよ…」と思ったとしても、アメリカは全世界での販売戦略の一環として日本での売り上げをカウントに入れていますから、基本的に日本は拒否できません。レパトア・オーナーの指示通りにリリースするしかありません。
宣伝の内容や宣伝費の多寡についても指示を出されることがあります。「そんな露出は取れません」「そんなにお金は使えません」とはなかなか言えないので、現場は苦心してアメリカとの交渉にあたることになります。
さて、今回のケース。Utadaのレパトア・オーナーはアイランド・デフジャム、つまりユニバーサル・アメリカです。Utadaがワールドワイドのプライオリティ・アーティストかどうかは分かりませんが、日本のアーティストですし、前作実績から言ってもメイン・マーケットは日本です。
また、アーティストはレーベルと契約を結ぶ際「何年間で何枚リリースする」という約束をしていることが多いです。もちろんこれはオリジナルアルバムでカウントするのですが、様々な要素を考慮してベスト盤リリースで代替されることもあるそうです。
事情は全く分かりませんが、今回こういう問題が絡んでいた可能性もあります。
いずれにせよアイランド・デフジャムとしては「無期限活動休止を明言しているUtadaのレパトアを日本で最大限売れる戦略を考える」のが自然でしょう。そうなると、話題性の点でも、EMIのベストと同じ日にベスト盤をリリースするのがほとんど唯一のチョイスだったのだと思います。
そして日本のユニバーサルは、アーティストの意向やEMIジャパンとのお付き合い等でどれほど悩んだとしても、基本的にはレパトア・オーナーの指示通りにリリースする以外ないのです。
宇多田さんは「失礼なやり方なのでは」と指摘していますが、残念ながら、契約社会であるアメリカのアイランド・デフジャムが意に介することはないように思います。
逆に考えると、契約上不可能なことには彼らは手を出していないはずです。「失礼」と思ってしまうのは、実は日本人的な感覚なのかもしれません。
そしてリリースが決まれば日本の現場は必死で売る努力をするしかありません。売れなければレパトア・オーナーに詰められるからです。
前作実績や現在の市場動向などを分析した上で目標売り上げ枚数を決め、それに応じた宣伝費・販促費をかけ、マンパワーを投入します。
リリースに向けての仕込みは大詰めだったでしょう。そこにこの騒動。正直、現場の方々には心から同情します。
実はこの騒動が奏功して予約枚数が増えたとの報道もあります。しかし私のいう「同情」は売り上げ枚数がポイントではありません。
次回は「ビジネスとしての音楽」について、そして今回の件でつくづく考えさせられた「 ダイレクトなメディアの功罪」についてです。
>>Utada The Bestについて、雑感 3
この間に新しい情報も出ていますが、10/31に書いたものを分割してアップしているので、取りあえずそのまま流します。
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<「レパトア・オーナー」とは?/ 契約社会のアメリカ>
レパトア・オーナー Repertoire Ownerという仕組みについて、少しご説明しておきましょう。
Repertoireとは日本語風に読むと「レパートリー」、楽曲のことです。
例えば「マドンナはワーナーのアーティストだから、ワーナージャパンはマドンナの曲を好きに使えるんでしょ?」というようなことを良く聞かれます。レコード会社以外の音楽業界の人ですらそう誤解しています。しかしそうではありません。マドンナのレパトア・オーナーはワーナージャパンではなくワーナーアメリカだからです。基本的にはアーティストが活動拠点にしている国がレパトア・オーナーになります。そしてレパトア・オーナーは当然ですが絶大な権力を持っています。
例えば、宇多田さんの楽曲のレパトア・オーナーはEMIジャパンです。彼女のアルバムをEMIオーストラリアが独自のオーストラリア盤としてリリースしたいと思ったとしましょう。その場合、オーストラリアはジャパンに許諾をもらう必要があります。
EMIジャパンは契約内容を確認し、所属事務所にお伺いを立て、アルバムタイトルやアートワーク(現地のニーズに合わせるために変えることはよくあります)、ボーナストラックの有無、価格や宣伝費及び宣伝の規模に至るまで、細かく審査をします。その上でアーティストのイメージに反していないか、そのアルバムをローカル盤としてリリースすることが、売り上げ及びアーティストのキャリアにプラスになるか、ということを踏まえて、許可を出します。
つまりレパトア・オーナーの許諾が降りない限り、同じEMIといえども、オーストラリアは何もできません。
また逆に、アメリカで、マイケル・ジャクソンのベスト盤が企画されたとしましょう。レパトア・オーナーはSONY MUSICアメリカ(のはずです)。
アメリカは各国のSONY MUSICにベスト盤を売るように指示できます(ワールドワイドでのプライオリティ・アーティストでない場合はこの限りではありません)。万が一SONY MUSICジャパンが「こないだも出したしこの内容じゃ売れないよ…」と思ったとしても、アメリカは全世界での販売戦略の一環として日本での売り上げをカウントに入れていますから、基本的に日本は拒否できません。レパトア・オーナーの指示通りにリリースするしかありません。
宣伝の内容や宣伝費の多寡についても指示を出されることがあります。「そんな露出は取れません」「そんなにお金は使えません」とはなかなか言えないので、現場は苦心してアメリカとの交渉にあたることになります。
さて、今回のケース。Utadaのレパトア・オーナーはアイランド・デフジャム、つまりユニバーサル・アメリカです。Utadaがワールドワイドのプライオリティ・アーティストかどうかは分かりませんが、日本のアーティストですし、前作実績から言ってもメイン・マーケットは日本です。
また、アーティストはレーベルと契約を結ぶ際「何年間で何枚リリースする」という約束をしていることが多いです。もちろんこれはオリジナルアルバムでカウントするのですが、様々な要素を考慮してベスト盤リリースで代替されることもあるそうです。
事情は全く分かりませんが、今回こういう問題が絡んでいた可能性もあります。
いずれにせよアイランド・デフジャムとしては「無期限活動休止を明言しているUtadaのレパトアを日本で最大限売れる戦略を考える」のが自然でしょう。そうなると、話題性の点でも、EMIのベストと同じ日にベスト盤をリリースするのがほとんど唯一のチョイスだったのだと思います。
そして日本のユニバーサルは、アーティストの意向やEMIジャパンとのお付き合い等でどれほど悩んだとしても、基本的にはレパトア・オーナーの指示通りにリリースする以外ないのです。
宇多田さんは「失礼なやり方なのでは」と指摘していますが、残念ながら、契約社会であるアメリカのアイランド・デフジャムが意に介することはないように思います。
逆に考えると、契約上不可能なことには彼らは手を出していないはずです。「失礼」と思ってしまうのは、実は日本人的な感覚なのかもしれません。
そしてリリースが決まれば日本の現場は必死で売る努力をするしかありません。売れなければレパトア・オーナーに詰められるからです。
前作実績や現在の市場動向などを分析した上で目標売り上げ枚数を決め、それに応じた宣伝費・販促費をかけ、マンパワーを投入します。
リリースに向けての仕込みは大詰めだったでしょう。そこにこの騒動。正直、現場の方々には心から同情します。
実はこの騒動が奏功して予約枚数が増えたとの報道もあります。しかし私のいう「同情」は売り上げ枚数がポイントではありません。
次回は「ビジネスとしての音楽」について、そして今回の件でつくづく考えさせられた「 ダイレクトなメディアの功罪」についてです。
>>Utada The Bestについて、雑感 3
November 2, 2010
Utada The Bestについて、雑感 1
宇多田ヒカルさんの『Utada The Best』についての発言が話題を呼んでいます。ネット上では彼女の言葉に賛同する意見の方が多いようですし、私も「Utada the Bestは私の意志とは全く無関係」とTweetしたこと自体は興味深いし、そのくらいは言ってもいいと思っています(関係者は残念に思うでしょうが)。
が、「予約を考えている人は、少し待ってください」「Utada名義の過去作品を持っている人は、そのbestは買う必要は無いよ、と言いたい」という事実上不買を訴える発言には、正直少し疑問を感じます。
そこまで言っちゃったかヒカルさん!という感じです。
私の端的な感想を言わせて頂くと「気持ちは分かるけれど、恐らく契約上仕方ないのだろうし、Twitterなどのダイレクトなメディアで買わないでとまで言うのは一線を越えていないだろうか。正直現場が気の毒だ」です。
こう思うのは、私がかつてレコード会社に籍を置いていたからかもしれません。
以下、この問題を考える際の参考になるかもしれないレコード会社の仕組みや、今もレコード業界に関わる者としての個人的な感想を、何回かに分けて書いてみたいと思います。
<原盤権のこと>
原盤権とは、簡単に言うと「録音した楽曲を発売する権利」で、レコーディング等音源制作にかかる費用を負担することと引き替えに取得するものです。
現在ではレコード会社だけでなく、アーティスト事務所や音楽出版社などが、出資額に応じて半分、1/3ずつ、という風に分け合って持つのが主流になっています。
ある楽曲をオリジナルアルバムとは別の形で使用する(今回のようなベスト盤を出すとか)際には、全ての原盤権保有者の同意が必要です。
今回の場合は、どうもアメリカのレーベル、アイランド・デフジャムが全ての権利を持っているようです。というのは、所属事務所の代表取締役である父・宇多田照實さんもTwitterでヒカルさんの意見に同調しているからです。つまり事務所の意志が反映されていない=原盤権を共有していないということです。
レコード会社としては、本来はお付き合いを考えると、権利がなくても事務所にお伺いは立てるのが普通です。しかしアイランド・デフジャムとの契約が既に切れている、もしくは切れる予定なのであれば、レーベルはアーティストの顔を立てる必要がないため(今後のお付き合いへの影響を気にしなくていいため)、契約内容だけを根拠にリリースした可能性もゼロではありません。あくまで想像ですが。
もしこういう事態を避けたいのであれば、共同原盤にする道を模索するという手もありましたし、ベスト盤リリース等について契約書に明記しておく必要があったのではないでしょうか。…とはいえそれは理想論であって、果たしてそういうことが政治的・慣習的に可能だったのかどうか、私には分かりません。
次回はレパトア・オーナーという仕組みについて書きます。
>> Utada The Bestについて、雑感 2
が、「予約を考えている人は、少し待ってください」「Utada名義の過去作品を持っている人は、そのbestは買う必要は無いよ、と言いたい」という事実上不買を訴える発言には、正直少し疑問を感じます。
そこまで言っちゃったかヒカルさん!という感じです。
私の端的な感想を言わせて頂くと「気持ちは分かるけれど、恐らく契約上仕方ないのだろうし、Twitterなどのダイレクトなメディアで買わないでとまで言うのは一線を越えていないだろうか。正直現場が気の毒だ」です。
こう思うのは、私がかつてレコード会社に籍を置いていたからかもしれません。
以下、この問題を考える際の参考になるかもしれないレコード会社の仕組みや、今もレコード業界に関わる者としての個人的な感想を、何回かに分けて書いてみたいと思います。
<原盤権のこと>
原盤権とは、簡単に言うと「録音した楽曲を発売する権利」で、レコーディング等音源制作にかかる費用を負担することと引き替えに取得するものです。
現在ではレコード会社だけでなく、アーティスト事務所や音楽出版社などが、出資額に応じて半分、1/3ずつ、という風に分け合って持つのが主流になっています。
ある楽曲をオリジナルアルバムとは別の形で使用する(今回のようなベスト盤を出すとか)際には、全ての原盤権保有者の同意が必要です。
今回の場合は、どうもアメリカのレーベル、アイランド・デフジャムが全ての権利を持っているようです。というのは、所属事務所の代表取締役である父・宇多田照實さんもTwitterでヒカルさんの意見に同調しているからです。つまり事務所の意志が反映されていない=原盤権を共有していないということです。
レコード会社としては、本来はお付き合いを考えると、権利がなくても事務所にお伺いは立てるのが普通です。しかしアイランド・デフジャムとの契約が既に切れている、もしくは切れる予定なのであれば、レーベルはアーティストの顔を立てる必要がないため(今後のお付き合いへの影響を気にしなくていいため)、契約内容だけを根拠にリリースした可能性もゼロではありません。あくまで想像ですが。
もしこういう事態を避けたいのであれば、共同原盤にする道を模索するという手もありましたし、ベスト盤リリース等について契約書に明記しておく必要があったのではないでしょうか。…とはいえそれは理想論であって、果たしてそういうことが政治的・慣習的に可能だったのかどうか、私には分かりません。
次回はレパトア・オーナーという仕組みについて書きます。
>> Utada The Bestについて、雑感 2
November 1, 2010
ガパオごはん
1 にんにく、生姜は刻む
2 中華鍋に油(うちではごま油)を熱し、にんにく、生姜、鷹の爪を弱火で炒める
3 2に鶏挽き肉を加えて炒める
4 鶏がらスープ、オイスターソース、ナンプラー、スイートチリソース、塩、砂糖を加えて更に炒める
5 パプリカを入れて炒める
6 バジルを1つかみ半くらい入れてさっと炒め合わせ、火を止める
7 ご飯を皿に盛り、6と目玉焼きをのせる
* * *
なんかそろそろバレバレな気がしますが。
卵が大好きです。卵がのっていれば大抵のものは幸せメニューです。
ラーメンには塩卵、カレーにはゆで卵か温泉卵か、キーマなら目玉焼きもいいな。いやのっけなくてもオムライスとかクラクラするし、だし巻き卵は1本でも抱えて食べれる。いつかポーチドエッグを極めてやるぞ。ふわふわ卵サンドは至福だし、ああ茶碗蒸しを忘れてはいけない。
卵マイラヴ。
しかし何故か卵のメニューを選ぶ時、ちょっと躊躇するんですね。昔は「卵は1日1個まで」というのが常識だったからでしょうか(今はもっと食べてオッケーという説もありますね)。
「卵…のっけていいかなあ」「オムライス頼んじゃってもいいのかなあ」「えーいタルタルつけたるで、どーん」
なんだかこう、覚悟の要る愛です。
さて、映画「かもめ食堂」の料理監修をした、フードスタイリストの飯島奈美さんという方をご存じでしょうか。
映画は見てないんですが、公開当時ご飯がうまそうすぎると話題になってたのは覚えてます。
その飯島さんがdancyuで目玉焼きの作り方を伝授してらして、目からウロコだったのが。
「理想的な焼き上がりのイメージをしっかり持つべし」ということ。
ああー。そうか。目玉焼き1つと言えども、どういう風に仕上がって欲しいか、ちゃんと意識して作るから、みんながうらやましがるうまそうなご飯になるのか。
それ以来卵を焼く時になんとなく思い出します。
後の時は忘れてますが(笑)
ちなみに卵をフライパンに入れる時、先に白身を流して一呼吸待って黄身をのせる、というのも飯島さんの技のひとつでした。これは形が美しく仕上がって素晴らしいです。
---
なぜかエントリ毎に「ですます調」と「〜だ調」が混ざるのですが、
そのメニューのイメージに合う方で適当に書いているせいです。
chorocoにとって、ガパオごはんは「ですます」なのか、くらいで流して下さい。
なんかそろそろバレバレな気がしますが。
卵が大好きです。卵がのっていれば大抵のものは幸せメニューです。
ラーメンには塩卵、カレーにはゆで卵か温泉卵か、キーマなら目玉焼きもいいな。いやのっけなくてもオムライスとかクラクラするし、だし巻き卵は1本でも抱えて食べれる。いつかポーチドエッグを極めてやるぞ。ふわふわ卵サンドは至福だし、ああ茶碗蒸しを忘れてはいけない。
卵マイラヴ。
しかし何故か卵のメニューを選ぶ時、ちょっと躊躇するんですね。昔は「卵は1日1個まで」というのが常識だったからでしょうか(今はもっと食べてオッケーという説もありますね)。
「卵…のっけていいかなあ」「オムライス頼んじゃってもいいのかなあ」「えーいタルタルつけたるで、どーん」
なんだかこう、覚悟の要る愛です。
さて、映画「かもめ食堂」の料理監修をした、フードスタイリストの飯島奈美さんという方をご存じでしょうか。
映画は見てないんですが、公開当時ご飯がうまそうすぎると話題になってたのは覚えてます。
その飯島さんがdancyuで目玉焼きの作り方を伝授してらして、目からウロコだったのが。
「理想的な焼き上がりのイメージをしっかり持つべし」ということ。
ああー。そうか。目玉焼き1つと言えども、どういう風に仕上がって欲しいか、ちゃんと意識して作るから、みんながうらやましがるうまそうなご飯になるのか。
それ以来卵を焼く時になんとなく思い出します。
後の時は忘れてますが(笑)
ちなみに卵をフライパンに入れる時、先に白身を流して一呼吸待って黄身をのせる、というのも飯島さんの技のひとつでした。これは形が美しく仕上がって素晴らしいです。
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なぜかエントリ毎に「ですます調」と「〜だ調」が混ざるのですが、
そのメニューのイメージに合う方で適当に書いているせいです。
chorocoにとって、ガパオごはんは「ですます」なのか、くらいで流して下さい。
October 28, 2010
カレーチャーハン 卵のっけ
1 玉ねぎをみじんに刻む
2 カレーを温めておく
3 中華鍋にオリーブ油(サラダ油)を熱し、玉ねぎを炒める
4 ご飯を入れて炒める。もし冷やご飯で塊があったら、こんこんと叩くといい感じにほぐれる
5 塩、こしょう、鶏がらスープ、オイスターソースで「おいしいけど結構薄いな」という程度に味付けする
6 カレーを加えて更に炒める
7 塩、こしょうで味を調えて皿に盛る
8 真ん中を窪ませて生卵をのせる
---
実家で中華鍋というと、ほとんど父の出番だった。
鶏肉とカシューナッツの炒め物とか、大根のオイスターソース炒めとか。
がーっと鍋を熱し、わっと材料を入れ、ざんざんざんと炒め、色々と謎なものをばさばさ入れて母にいやーな顔をさせ、どかんと盛りつける。
「味見してないから!」がいつもの口癖。
えー、と思いながら食べると、たいてい、おいしい。
まあ10回に2回くらいは、おおっと、という出来なのだけど、それもご愛敬。
だからカレーチャーハンも父の十八番だった。カレーが中途半端に残ると、土曜のお昼は父が台所に立つ。
がーっ、わっ、ざんざんざん、ばさばさ、どかん。
で、私に聞くのだ。
「生卵、のせるか?」
私はにやりとして
「うん!」
と答える。
母がいやーな顔をしている。そういうなんというか、パワフルな気配のするものは彼女は嫌いなのだ。
だから父と子供達の皿にだけ生卵がのる。そのたまらない背徳感。
実はゆで卵のほうが好きなんだけど。合うと思うんだけど。
おいしいかおいしくないかじゃないのだ。カレーチャーハンには生卵。
今日もチャーハンの山の真ん中にぽとんと卵を落としながら、中華鍋を振る父を思い出す。
あ、ちなみに生きてます>父
October 26, 2010
白身魚のごま漬け丼
1 醤油、酒、みりん(2:1:1)をレンジでチンする
2 1のあら熱がとれたら練りごま(白)を混ぜておく
3 白身魚をそぎ切りにする
4 2に魚を漬ける。20分くらい
5 どんぶりにご飯を盛り、のりを散らし、4をのせる
あさつきの小口切りと白いりごまを飾り、わさびを添える
---
NHK「きょうの料理ビギナーズ」2010年6月号より。
ここ半年ほど、このNHKテキストを愛読してます。
「野菜たっぷり日もちおかず」とか「肉のうまさにジャストミート」とか
毎号テーマがはっきりしていて、レシピの数も多くて、とっても使えるのです。
しかも500円。この値段はNHK出版にしかできないよな…。
「ビギナーズ」というだけあって、基本のきから教えてくれるのに、
出来上がるものはなんというか古くさくないのです。今風(死語)なのです。
このバランス感覚は素晴らしいと思う。でもイラストは好きじゃない(笑)
白身魚のごま漬け丼は、超簡単なのに、思わずくっ…とうなるうまさ。
「お茶漬けにしてもおいしい」だそうです。
そういえば鯛でお茶漬けなら出汁茶漬けが好きです。軽く醤油で漬けにしておいて、出汁を注ぐ。
このごま漬け丼の場合はそのまま出汁茶漬けにすると、少し味が濃すぎるかも…?
この日のお味噌汁はさつまいもと玉ねぎ、わかめ。
生ハムとしめじのクリームパスタ
1 パスタ用のお湯を沸かし始める。塩はしっかりめに。
2 しめじと生ハムは一口大にする
3 玉ねぎをスライスする
4 フライパンにバターを溶かし、玉ねぎとしめじを炒める。
好みで白ワインでフランベしても良い
5 パスタを茹で始める
6 4がしんなりしたら生クリームを注ぎ、ぶくぶくと泡立てる
7 6にパスタの茹で汁を注いでゆるめる
8 塩、砂糖、鶏がらスープ、パルミジャーノのすりおろし等で味を調える。
火を止めて生ハムを加えておく
9 パスタは少し硬めで引き上げ、8に加えてなじませる
10 皿に盛りつけ、黒こしょうをひく
---
残っていたもので適当に晩ごはん。
サイドのサラダはブロッコリーとズッキーニを蒸してオリーブ油と塩、ゆで卵をトッピング。
わりと最近まで「生クリームは煮立てない」というのがパスタのレシピの常識だった気がします。
色々工夫してもどうしても味が落ち着かないので、クリームパスタ好きとしては歯がゆい思いをしていたものです。
それがある時、加藤政行さんの「ぼくの好きなパスタ」を読んでいたら。
「生クリームは焦げることを恐れずに、大きく泡が立つまで煮詰めていい。煮詰めることで独特のコクが出て、濃厚な甘みのソースになる」
と。
なんだ!誰だよ煮詰めちゃいかんって言った人!(笑)
というわけでそれ以来、クリームパスタは怖くなくなりました。
あと鶏がらスープを入れるというのは、行正り香さんの十八番です。
味の中心部分がすこんと抜けているのを埋めてくれます。
これを塩で埋めようとすると、とんでもなく塩辛くなるので注意です。
彼女のレシピはシンプルで調味料の使い方が自由自在で、とても美味しい。そして見た目に美しいです。これ大切。
October 24, 2010
鰹とレンズ豆のサラダ
1 フライパンにオリーブ油を熱し、鰹のさくをタタキにする
2 1をスライスし、塩、こしょう、オリーブ油でマリネしておく
3 レンズ豆を洗ってざるにあげておく
4 お湯を沸かして塩を入れ、3を茹でる。柔らかくなったらざるにあげる
5 玉ねぎ(紫玉ねぎでも)を薄切りにして水にさらしておく
6 ベビーリーフミックスは洗って水気を切る
7 ボールに6を入れ、塩、コショウ、レモン汁、オリーブ油を加えて手でそっと混ぜる
8 7を皿に盛り、マリネをのせ、レンズ豆と玉ねぎをトッピングする
彩りにバジルやイタリアンパセリ、エストラゴンなどを散らしても良い
---
レンズ豆を散らしたサラダは、渋谷のun cafeで初めて食べた。
肉、魚、パスタ、サラダのどれかとパン、カップスープにドリンクがついたun cafeのランチ。
ちょっと高かったけど、仕事が一段落したり、誰かとゆっくり話がしたい時、疲れてておいしいものが食べたい時なんかによく行った。
最初は、たっぷり散りばめられた小さい黒い物体が豆だということに気づかなかった。
不思議に食べ応えのある食感。濃い旨味。
レンズ豆というものだと知ってからも、料理の上手い人が使う素材だと思って、長い間手を出せなかった。豆は戻さないといけないし。
でもある時イタリアンの料理本を読んでいたら、ボイルした豚肉の添え物がレンズ豆だった。
えいやっと思い切って買った。
…レンズ豆って水で戻す必要ないのね。
煮るのもがーっと煮て、食べてみて良い感じで上げればオッケー。
なんて素敵なやつなんだレンズ豆。
そして鉄分が豊富なんだそうだ。もっと食べるぞレンズ豆。
ちなみにこのレシピは、鰹のグリル・醤油わさびバターソースをやった翌日の昼に、残っていた鰹をどうにか出来ないかと思ってやってみたもの。
同じようにフライパンでグリルし、そこにバターを溶かし、醤油とわさびを加えて煮詰める。
温かい鰹にソースをかけて、グリーンサラダか茹で野菜を添える。
元々はまぐろで、ケンタロウさんのレシピ。
目玉焼きパスタ
1 パスタを茹でる
2 目玉焼きを半熟に焼いておく
3 茹で上がったパスタに、バター、昆布茶、めんつゆをからめる
4 3に目玉焼きとあさつきをのせる お好みで海苔をかけても
*食べる時に、しっかり目玉焼きをつぶしてからめて食べる。
見た目は、とっても悪い。
2 目玉焼きを半熟に焼いておく
3 茹で上がったパスタに、バター、昆布茶、めんつゆをからめる
4 3に目玉焼きとあさつきをのせる お好みで海苔をかけても
*食べる時に、しっかり目玉焼きをつぶしてからめて食べる。
見た目は、とっても悪い。
---
小さい頃我が家では、夕食がスパゲッティーの時は必ず2種類以上出てきた。
4人分いっぺんに茹でたり和えたりが大変だから、というもっともらしい理由もあったけれど、
多分母が色んな味を楽しみたかったんだと思う。
たらことかミートソースとかのスタープレイヤーの次によく出てきたのがこの目玉焼きスパ。
母はもう潔く、目玉焼くだけ!醤油かけるだけ!だったが、私バージョンは長年の間にアレンジしてこうなった。
どんなに丁寧に黄身をからめても、絶対喉に突っかかる。海苔なんてのせた日にはむせることうけあい。
でもなんかたまに食べたくなるんだな。
June 24, 2010
飛行機&Brompton 2009冬 その6
myブロンプトンにはサイクルコンピューターがついていません。
そんなこんなで後から測ってみたら、あの角を左に曲がってから来間島への橋まで、なんと3.5kmもあったのでした。
これこれ、この景色!サイコー!
初日に車で通った時から「ここをチャリで走りたいっ」と思ってたのです。
よっしゃー、行きますよ!
一歩踏み出して、そのあまりのまっすぐ加減に思わず立ち止まります。
途中でぐっと高くなっているのが見えるでしょうか?まずはあそこまで!ひゃっほーい。
もちろん大人しく歩道を走るのですが。
さすが両側が海、遮る物が全くないので、か、風が強い。
車道に転げ落ちそうになるくらい。車はばんばん飛ばしてくる。けっこう怖い。
橋はどんどん高くなります。
海が透き通ってる!青い!キレイ〜!!
ちょっと息を切らせながら、真ん中の一番高いところまで来ました。この眺め!
あー。来てよかった。良いタイミングで晴れてほんとによかった。
海が青いなあ。空が青いなあ。うっとり。さっきからそれしか考えられない。
ずーっとここにいたいなあ。
でも…風が強すぎる!
潮風は体力を奪うと知ってはいたけど、こんなにぐったりするものとは。
名残惜しいですが走り出します。ここからは下るだけ。
来間島に渡ったら展望台まで行こうと思っていたのに、これは無理かも。
もう15時半だし。
でもここを走れただけでもいいや。myブロンプトン史上1,2を争う最高のコースです。
そしてついに!
渡り切りました!
ほんとに気持ちのいいポタリングでした。
このルートを考えてくれた友人に心から感謝!
そしてついに来たぞ来間島。
…に足を踏み入れたまでは良かったのですが、すぐまた目の前に現れたすごい坂の前にあえなく沈没。
くるっと引き返して橋を渡り(風が強すぎて体力を奪われすぎて、景色を見る余裕もなし)、絶妙なタイミングでピックアップに来てくれた車に倒れ込んだのでした。これも大感謝。
めちゃめちゃ楽しかった!いつかまた行くぞ宮古島!!
*今回走ったコースはこちら。
*次回ようやくBrompton Japanese Championshipネタいきます。長かった…。
なんとなくブロと走るのんびり気分に、速度や距離は似合わない気がして。
そんなこんなで後から測ってみたら、あの角を左に曲がってから来間島への橋まで、なんと3.5kmもあったのでした。
途中一本道なはずなのに迷いそうになったり、というのはもう置いといて。
来間大橋は宮古島と来間島をつなぐ、1.7kmもあるまーっすぐな橋なのです。
もちろん両側は海!見渡す限り海!
ぐるーーっと見渡してみましょうか。これこれ、この景色!サイコー!
初日に車で通った時から「ここをチャリで走りたいっ」と思ってたのです。
よっしゃー、行きますよ!
一歩踏み出して、そのあまりのまっすぐ加減に思わず立ち止まります。
途中でぐっと高くなっているのが見えるでしょうか?まずはあそこまで!ひゃっほーい。
もちろん大人しく歩道を走るのですが。
さすが両側が海、遮る物が全くないので、か、風が強い。
車道に転げ落ちそうになるくらい。車はばんばん飛ばしてくる。けっこう怖い。
橋はどんどん高くなります。
海が透き通ってる!青い!キレイ〜!!
ちょっと息を切らせながら、真ん中の一番高いところまで来ました。この眺め!
あー。来てよかった。良いタイミングで晴れてほんとによかった。
海が青いなあ。空が青いなあ。うっとり。さっきからそれしか考えられない。
ずーっとここにいたいなあ。
でも…風が強すぎる!
潮風は体力を奪うと知ってはいたけど、こんなにぐったりするものとは。
名残惜しいですが走り出します。ここからは下るだけ。
来間島に渡ったら展望台まで行こうと思っていたのに、これは無理かも。
もう15時半だし。
でもここを走れただけでもいいや。myブロンプトン史上1,2を争う最高のコースです。
そしてついに!
渡り切りました!
ほんとに気持ちのいいポタリングでした。
このルートを考えてくれた友人に心から感謝!
そしてついに来たぞ来間島。
…に足を踏み入れたまでは良かったのですが、すぐまた目の前に現れたすごい坂の前にあえなく沈没。
くるっと引き返して橋を渡り(風が強すぎて体力を奪われすぎて、景色を見る余裕もなし)、絶妙なタイミングでピックアップに来てくれた車に倒れ込んだのでした。これも大感謝。
めちゃめちゃ楽しかった!いつかまた行くぞ宮古島!!
*今回走ったコースはこちら。
*次回ようやくBrompton Japanese Championshipネタいきます。長かった…。
飛行機&Brompton 2009冬 その5
さてシギラベイCCに別れを告げ、来間島を目指してまた走り始めます。
と、荷物も持たずに散策中の人々とすれ違いました。
また1組。あっまた。さっきまで車しか見かけなかったのでちょっと不思議な気分です。
ゴルフ場に徒歩で行く人がいるとか?などと思っていると。
うえのドイツ文化村。上野…とドイツ??
どうしても「アメ横でオクトーバーフェストをやってる図」とかしか思い浮かびません。
後から調べたところ「明治時代に宮国の住民がドイツの難破船を救助したゆかりの地に建つテーマパーク」とのことでした。くわしくはこちら。
平日ですが人の姿がちらほら見えます。女性のグループ連れが多いようです。
ビール飲みたいな〜と思いながら通り過ぎ、ぽてぽて走っていくと。
ん、なんか畑が増えてきた。あっ。
まーたー坂かー…。
ギアを一番軽くして、ゆっくりゆっくり上っていきます。さすがに少し疲れた。飲み物も切らしちゃったし。
太陽は雲の向こうに隠れてるくせに、腕をじりじり焼きます。
さっきまでの賑やかな気配はもう遠く、どこまでも道、と、自分だけ。
ふいに雲が切れて辺りが明るくなりました。ふと顔をあげると。
ざわーーーーっ…
見渡す限りのさとうきび畑。
ああ、本当にざわわと風が渡っていくんだ、と森山良子さんの名曲を思い出しました。
自分の足元の地面と、幼い頃から本で読んだり映像で見たり話に聞いていた沖縄が、ふっと一致した瞬間。
私にとっての沖縄は、青い海でも青い空でも美味しい食べ物でもなく、さとうきび畑、でした。奄美でも見たはずなのに。不思議。
さあしんみりしないで走り続けますよ。来間島はまだかー。
iPhoneのMapsを見るも、イマイチ距離感がつかめない。全行程の2/3はとっくに過ぎてるはずなのに。
と、広い歩道のある立派な道に出ました。アダンの葉がすごい勢いで揺れています。
久しぶりの真っ平らな道。走りやすい。調子に乗って飛ばしていくと。
出た!
よっしゃ来間島曲がり角きたー!
あの夢のように美しい景色の橋までもうすぐです!
…と思ったのに…。
市立の広い体育館で耳の欠けちゃったしーさーさんに会ったり…、
ここは北海道か!?というやたら広大な畑に遭遇したり…。
あれ?曲がったらすぐじゃないの?あれ??
つづく。
(次回で本当に終わります。終えます。)
と、荷物も持たずに散策中の人々とすれ違いました。
また1組。あっまた。さっきまで車しか見かけなかったのでちょっと不思議な気分です。
ゴルフ場に徒歩で行く人がいるとか?などと思っていると。
うえのドイツ文化村。上野…とドイツ??
どうしても「アメ横でオクトーバーフェストをやってる図」とかしか思い浮かびません。
後から調べたところ「明治時代に宮国の住民がドイツの難破船を救助したゆかりの地に建つテーマパーク」とのことでした。くわしくはこちら。
平日ですが人の姿がちらほら見えます。女性のグループ連れが多いようです。
ビール飲みたいな〜と思いながら通り過ぎ、ぽてぽて走っていくと。
ん、なんか畑が増えてきた。あっ。
まーたー坂かー…。
ギアを一番軽くして、ゆっくりゆっくり上っていきます。さすがに少し疲れた。飲み物も切らしちゃったし。
太陽は雲の向こうに隠れてるくせに、腕をじりじり焼きます。
さっきまでの賑やかな気配はもう遠く、どこまでも道、と、自分だけ。
ふいに雲が切れて辺りが明るくなりました。ふと顔をあげると。
ざわーーーーっ…
見渡す限りのさとうきび畑。
ああ、本当にざわわと風が渡っていくんだ、と森山良子さんの名曲を思い出しました。
自分の足元の地面と、幼い頃から本で読んだり映像で見たり話に聞いていた沖縄が、ふっと一致した瞬間。
私にとっての沖縄は、青い海でも青い空でも美味しい食べ物でもなく、さとうきび畑、でした。奄美でも見たはずなのに。不思議。
さあしんみりしないで走り続けますよ。来間島はまだかー。
iPhoneのMapsを見るも、イマイチ距離感がつかめない。全行程の2/3はとっくに過ぎてるはずなのに。
と、広い歩道のある立派な道に出ました。アダンの葉がすごい勢いで揺れています。
久しぶりの真っ平らな道。走りやすい。調子に乗って飛ばしていくと。
出た!
よっしゃ来間島曲がり角きたー!
あの夢のように美しい景色の橋までもうすぐです!
…と思ったのに…。
市立の広い体育館で耳の欠けちゃったしーさーさんに会ったり…、
ここは北海道か!?というやたら広大な畑に遭遇したり…。
あれ?曲がったらすぐじゃないの?あれ??
つづく。
(次回で本当に終わります。終えます。)
April 27, 2010
飛行機&Brompton 2009冬 その4
わーーーっ、と坂道を下ってテンションと元気が回復したのも束の間。
サトウキビ畑にひゅんひゅんとスプリンクラーが回っています。
思わず寄っていくと、強い風にあおられてしぶきがさーっとかかりました。いい気持ち。
12月半ばなのに水が気持ちいいなんてなー。
島だなぁ。お休みだなぁ。ありがたいなぁ。
とふと自分の今の幸せさをかみしめてみたり。
よっしゃ−、もうひとがんばり!とこぎ続けて(いや、半分くらいは降りて押した。文章は正確に)、次に出会ったのは…。
ヤギさん!!
…前後左右上下、誰もいない。ただただ道と、濃い緑と。急にのぞいたキラキラの青空の下、ヤギは黙々と草を食べている。この広い世界にヤギさんとふたりっきり。
えーと…あなたはどこから来たんでしょうね…というか、何をやって…いや、お食事中なのは分かるんですが…。
この道走ってきてもほとんど人にあわなかったし、家もそんなに見なかったし、超out of nowhereな…(chorocoは混乱すると受験英語を思い出すことがあります)
ん?
ヤギの向かって右側に、細い道が。そして看板。…ここを曲がるとコーヒー屋さん?
峠道にしか見えないが…。あ、ヤギさんの名前が書いてある!
とりあえずこのお方の写真をTwitterに投げる。と、あっという間に「あ、そのヤギさんは○○さんですね〜」とのコメントが!(元Tweetを探したのですが見つからない)
どうもコーヒー屋さんの看板ヤギさんらしい(うろおぼえ)。
Twitterすげえ…。
やっぱりiPhoneとBromptonがあれば、どこまでも行けるわ。
と感動した瞬間でした。あ、あと電波(笑)
○○さんに別れを告げ、また元気になって走り出します。
確かそろそろ左手にシギラベイCCというゴルフ場があるはず。そこを曲がれば右手にゴルフ場、左手に海を見ながら走れるようなのです。
iPhoneで地図を確かめるのですが、明るいところではよく見えない。曲がるチャンスは2度、敷地の端と、真ん中を抜ける道。どうも最初の角は見落としたようです。
えーと。
お、これだ!
ゴルフ場の真ん中を抜ける細い道、遠くに海!
しかも下り坂!わーい!
木立が切れて爽やかな淡いグリーンの芝生が見えました。南国の濃い緑ばかりを見てきた目にはちょっと新鮮。
ゴルフには全然興味ないし、自然を整形した感じが正直好きではないのだけど(ゴルフ好きの方すみません)、これはキレイです。
プレイする人の姿はまばら。のんびりと走っていくと、低い石垣に赤い花。うわー「ザ・南国」だ〜。
ほわあ。ブロを停め、ちょっとお茶なんか飲んだり。
あーのんびり〜。きれい〜。あー。
道はあと半分くらい。
…また上り坂だ…。
いやまあ、坂と言っても、普通のロードレーサーとか、クロスバイクだったら目をつぶってても通り過ぎちゃうくらいのやつですよ。奄美大島の清水からヤドリ浜まで行った時みたいな、泣く子も黙る峠道とは違いますよ。
でも…ブロの3段ギアにはつらい…。Inter8にしとくんだったー!!
(そのかわり重くなることは忘れてます)
つい足下ばかり見ながら登り続けること数分。ふと気配に目を上げると。
いやまあ、坂と言っても、普通のロードレーサーとか、クロスバイクだったら目をつぶってても通り過ぎちゃうくらいのやつですよ。奄美大島の清水からヤドリ浜まで行った時みたいな、泣く子も黙る峠道とは違いますよ。
でも…ブロの3段ギアにはつらい…。Inter8にしとくんだったー!!
(そのかわり重くなることは忘れてます)
つい足下ばかり見ながら登り続けること数分。ふと気配に目を上げると。
サトウキビ畑にひゅんひゅんとスプリンクラーが回っています。
思わず寄っていくと、強い風にあおられてしぶきがさーっとかかりました。いい気持ち。
12月半ばなのに水が気持ちいいなんてなー。
島だなぁ。お休みだなぁ。ありがたいなぁ。
とふと自分の今の幸せさをかみしめてみたり。
よっしゃ−、もうひとがんばり!とこぎ続けて(いや、半分くらいは降りて押した。文章は正確に)、次に出会ったのは…。
ヤギさん!!
…前後左右上下、誰もいない。ただただ道と、濃い緑と。急にのぞいたキラキラの青空の下、ヤギは黙々と草を食べている。この広い世界にヤギさんとふたりっきり。
えーと…あなたはどこから来たんでしょうね…というか、何をやって…いや、お食事中なのは分かるんですが…。
この道走ってきてもほとんど人にあわなかったし、家もそんなに見なかったし、超out of nowhereな…(chorocoは混乱すると受験英語を思い出すことがあります)
ん?
ヤギの向かって右側に、細い道が。そして看板。…ここを曲がるとコーヒー屋さん?
峠道にしか見えないが…。あ、ヤギさんの名前が書いてある!
とりあえずこのお方の写真をTwitterに投げる。と、あっという間に「あ、そのヤギさんは○○さんですね〜」とのコメントが!(元Tweetを探したのですが見つからない)
どうもコーヒー屋さんの看板ヤギさんらしい(うろおぼえ)。
Twitterすげえ…。
やっぱりiPhoneとBromptonがあれば、どこまでも行けるわ。
と感動した瞬間でした。あ、あと電波(笑)
○○さんに別れを告げ、また元気になって走り出します。
確かそろそろ左手にシギラベイCCというゴルフ場があるはず。そこを曲がれば右手にゴルフ場、左手に海を見ながら走れるようなのです。
iPhoneで地図を確かめるのですが、明るいところではよく見えない。曲がるチャンスは2度、敷地の端と、真ん中を抜ける道。どうも最初の角は見落としたようです。
えーと。
お、これだ!
ゴルフ場の真ん中を抜ける細い道、遠くに海!
しかも下り坂!わーい!
木立が切れて爽やかな淡いグリーンの芝生が見えました。南国の濃い緑ばかりを見てきた目にはちょっと新鮮。
ゴルフには全然興味ないし、自然を整形した感じが正直好きではないのだけど(ゴルフ好きの方すみません)、これはキレイです。
プレイする人の姿はまばら。のんびりと走っていくと、低い石垣に赤い花。うわー「ザ・南国」だ〜。
ほわあ。ブロを停め、ちょっとお茶なんか飲んだり。
あーのんびり〜。きれい〜。あー。
道はあと半分くらい。
April 20, 2010
飛行機&Brompton 2009冬 その3
さて2010年もとっくに1/3過ぎてしまいましたが、これ以上忘れないうちに「飛行機&Brompton 2009冬」のBrompton部分を書いてしまいますね。
宮古島3日目。
ようやくまとまった晴れになりそうなので、1人別行動で走りに行くことにしました。島の南東端、東平安名崎(ひがしへんなざき)まで車で送ってもらいます。
そこから海沿いをずっと、体力が持てば来間島(くりまじま)まで。
晴れたのはいいけど風が強い!!東平安名崎は本当に断崖絶壁で、ちょっと身の危険を感じました。
もちろん走るのは海から少し入った普通の車道です。
ついにmyブロが初沖縄の土を踏みました。青い空、揺れるアダンの木、まっすぐに延びる道。くーっ、たまりません。ちょっと坂が予想よりきついのには気づかないフリをして、出発です。
この気持ちよい風景の中ではペース配分なんて言葉はぶっ飛びます。わーーーっ、とテンションmaxで走る、走る。
上り坂でも笑う、下り坂はもっと笑う。我ながらネジ1本外れてしまったかのような浮かれぶりです。
白とグレイの雲がぐんぐん流れていきます。いかにも一雨きそうな空模様。
一応レインコートは持っているけれど、大降りになっても雨宿りのできそうなところは見当たりません。
ひたすら、道、さとうきび畑、アダンの木。海はもう見えない。
友人の「島では降っても長続きしないから」という言葉を信じて走ります。
あ、風車だ!
さとうきび畑の向こうに、白い羽根が光っています。きれい。風の強いところなんだなあ、と改めて思いながら通り過ぎました。
下りは楽勝、楽勝。
Twitterに実況なんて投げながら。
さて次は…?
うわあぃ。がっつり上り坂だ—い。
写真でみるとがっつり感に欠けますが、これがなかなかどうして。ま、運動不足なだけじゃんと言われればそれまでなのですが、超ノーマル・オリジナルなままのブロの3段ギアでは正直しんどい。
結局降りて押して上がる私を、白い車が心配そうに追い抜いていきます。さっきから見かけるのは、道路工事のトラックや畑に向かう車だけ。観光客の姿はゼロ。
ブロはぱっと見サイクリングに見えないので、心配して下さる方が多いです。
意地で(?)笑顔で見送ります。
頂上にさしかかった頃、ぱらぱらっと音を立てて雨が降ってきました。
道の両側は深い緑。とたんに立ち上る土の香り。アダンのオレンジの実がちぎれそうに揺れています。寒い。
レインコートを着ようか、どこかで雨宿りしようか…?いや、両脇山だし。
あーもう海で泳いだと思えば、と開き直り、そのまま登り続けます。
雨が目に入り、視界がぼやけます。えーと、私なにやってんだっけ?とちょっと思い始めた頃。
よっしゃ、下り坂だ!
急に元気になってブロに飛び乗り、ひゅーーーーん、と擬音がつきそうな勢いで下っていきます。
雨も小降りになってきたところへ、視界がぱーっと開けてまた海が見えました。
海だ!海だ!ここ数日散々見慣れていたはずの海が妙に懐かしく思えます。
鉛色の空の下、くすんではいるけれどどこまでも海。水平線と空のグレイのコントラストが綺麗です。
やっぱり海はいいなあ。海の上をブロで走れたらいいのに、などとアホみたいなことを考えながら、走り続けます。
手元のiPhoneによると、まだ1/3くらいしか来ていません。
(あ、山越え以外ではほとんど電波入ってました。ほっ)
本当に来間島まで行けるのか?
続く…。
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